Saturday 3 August 2013

Why did Jimmy leave the Wings? (なぜJimmyはWingsを辞めたのか?)【その2】

前に【その1】を書いたのですが、やっと【その2】を書きます!

ジミー(Jimmy)やジョー(Joe English)がなぜWingsを去って行ったのかということは、実のところ当人達にしかわかりません
しかし当時の新聞記事やインタヴュー等で、わかる限りの状況を整理しておきたいと思います(それでも切り貼りされた記事がどこまで真実を伝えているかという疑問は勿論、残ります)

まずジミー様本人のお言葉:
「Wingsで自分は実質、スタジオで主に仕事をする雇われミュージシャンだった」




JimmyはWingsを脱退後、Small Faces再建に参加しました(この記事が出た時、既にSmall Facesも脱退)。

Rockshowを観てもわかるように、Jimmyは”My Love”, ”Maybe I’m Amazed” 等のスタジオ盤でヘンリー(Henry McCullogh)やMcCa(ポールw)が弾いたギターソロを正確に再現しつつも、ジミー自身の素晴らしい個性や魅力を表現することのできる並外れた技量と才能の持ち主でした。スタジオミュージシャンとしても大変重宝がられたと思うのですが、本人はライヴが好きだったようですね。それはポールの「ジミーは、いつもコンサート・ツアーに出てなければ満足できないたちだった」(『クロスビート』2013年7月号より:『ミュージック・ライフ』78年1月号の再録)という言葉に裏付けられます。また、ライヴよりスタジオでの録音作業を重視していたThunderclap Newmanを辞めて自分のバンドを組んだ時も、「ジミーは常にライヴを望んでいた」と書かれています



また、ポールとリンダ夫妻に長男(James)が誕生したことも、脱退の動機となったようです。「再びツアーに出るまではしばらく時間がかかると思った」(ジミー)。

これについては、ジョーの奥さんも同様のことを述べていますし(”Beatlefan”1978年12月19日創刊号 )、ポール自身、上述の『クロスビート』掲載インタヴューで「今年一杯ツアーの予定を入れなかったのはリンダに子供が生まれるということが理由だった」と述べています。

Beatlefanのジョーのインタヴュー記事は色々興味深いのですが、ジョーの奥さんは、ジミーが辞めた理由を、「ポールがバンドを自分の思う通りにしようとするので、窮屈に感じていたのではないか」と推測しています。これについて私個人は、Wingsは事実上ポールがリーダーのバンドだし、実際、ポールは大ベテランだし実力は桁外れだし、またBeatles時代から他のメンバーが遠くに住んでいてもポールはアビーロード・スタジオの隣に住んで昼夜を問わずにスタジオに出入りして、そんなポールの妥協を許さない完璧主義やワーカホリックぶりについていけない他のメンバーを辟易させたというエピソードから推測するに、本当だったかもしれないと思いつつ、ポールのそういう面が、今日まで精力的に活動し、結果を出し続けているポールの原動力だと思うと、嫌いではありません(みんなー、OUT THERE TOURのTKT買ったー?w)。

さて、当のサー・ポールは「ジミーが辞めたのは残念だけど、大分前から問題があったから、彼無しでもうまくやっていくよ」とか「(ジミーは)一緒にやって行くのは難しいところがあって、それはこの業界では知られた話」と述べています。






この「問題」とは何なのか…
それは例の薬物問題かもしれないし、ジミーからすればスタジオで何時間でもオタクっぽく仕事をする+独裁的なポールとだんだんうまく行かなくなっていたのかもしれないし、非常に若い頃から天才ギタリストとしてもてはやされベテラン達とプレイしてきたジミーの性格にクソ生意気なところがあったのかもしれません。

しかしここであからさまにジミーを批判しないところが、サー・ポールの品の良さでもあります。ポールはとことんネアカな性格の人に見えますが、見苦しい事をあまり言わない上品で賢い人(賢いブレーンがいるのかも)という印象があります(それは例のヘザー・ミルズさんとの泥沼離婚裁判の時も、ミルズさんが醜態を晒しまくったのに対し、ポールはミルズさんを気遣う発言までして、一時、英国の「好感度No.1芸能人」になった点にもよく表れていますw)

まあ、ポールがはっきり言わないせいで、「ジミーのWings脱退原因は薬物中毒」疑惑が募るわけでもありますが、しかし、当時は多くの芸人()が薬物に手を出していて、それが原因で亡くなったのはジミーだけではないし、それに私自身、ポールのように、汚いことを全て表に出す必要はないという態度を尊敬したいと思っています(あ、もしどこかではっきり言っている記事等をお持ちの方は是非、情報提供をお願いします!)

ジミー、ジョーの脱退前、5人(+ポール、リンダ、デニー)は、ヴァージン諸島の船上レコーディングを行なっていて、ポールの言葉が本当なら、そこでは皆、「本当に仲間だった」ようです。

Jimmyは、「自分は友好的に別れたし、気を悪くした人は誰もいないと思う」と述べています。

そしてポールも、「ジミーもジョーもちゃんと仕事はやり終えてからやめた」「僕はジミーとジョーがいたウィングスは最高だったと思うし、彼らの演奏力は申し分なかった」「もし僕らが今すぐコンサート・ツアーをしなければならないとしたら、僕は多分、その間だけジミーとジョーを呼び寄せるだろうけど、今のところツアーは考えてない」(前掲の『クロスビート』より)と述べているから、(ポールの上品さによる発言だとしても)、喧嘩別れというわけではないみたいだし、これらの言葉を信じたいと思います(キリリ)

ポールはまた、「ジミーはハードロックをやりたかった」とも述べています。
実力があり個性の強いメンバーばかりですから色々あったとは思いますが、ジミーは、ポールの作る明るく可愛いポップスをポールの弾いて欲しいように弾くだけではなく、アーティストとして新しい分野を開拓したかったのではないでしょうか。
Wingsファン、Paulファン、Jimmyファンとしては、Jimmyがリードギタリストとして存在した頃の、ロック色濃いWingsをもっと長く見ていたかったという気持ちはありますが・・・

今年の”ROCKSHOW”公開時の冒頭メッセージで、サー・ポールは(相変わらずリンダを褒めちぎっているのはさておきw)、「ジミーは偉大なギタリストだった」と述べていました(このmsgはDVDには収録されていない)。また今回のリマスタリングが、リンダとジミーに捧げられているのも、ファンにとっては涙がこぼれるほど感動的でうれしいことです(唯一最初から最後までWingsと運命を共にしたデニーが全くスルーなのもどうかと思うけどw)


...これはまったくの余談ですが、ジミーの誕生日は、1953年6月4日です。カバラ占い(?)ができるとかゆう友人によると、これらの数字を足したジミーの数は「1」で、これは「今を生き急ぐ人」という特徴があるそうです(本当かね〜?)。
私は理性と客観的事実を重視するタイプで、占いとかスピリチュアルなものはほとんど信じないのですが、これを言われた時、あくまで後付け的なものとして、「言い得て妙だな」と思いました。


(間接的な画像提供:今回もPaul Salley君、FBのPaul McCaとWingsのファンページ。Special Thanx!)

2 comments:

  1. ファンページの開設、おめでとうございます。
    楽しく拝見させていただいてます。

    私は、79年8月27日に 「WINGS OVER THE WORLD」 を観て、
    ジミーを師と決めました。 

    1ヶ月後の深夜3:00 彼の死 の第1報? に接し、大変ショックを受けました。

    今回、彼が再び注目を集め、大変うれしく思います。


    さて、彼の脱退についてですが、どれも本当だと思います。

    引き金:
    息子のジェームズが生まれる4日前に、ジミーが酔って、
    スコットランド農場の部屋の壁に生まれたばかりの卵2ダースをぶつけ、
    リンダが泣き出し、ポールも逆上したようです。

    このことはポールも

    「スコットランドでちょっとした騒ぎがあり、彼は今、Sフェイセスにいるよ。」

    と言っています。


    ポールの気持ち:
    76年当時、ポールは 「もっとウイングスを良くできないか?」 と満足していなかったようです。
    90年のパンフでも、「ウイングスは酒飲みの集まりでシンドかった。今のメンバーの方が良いよ。」 
    と言う趣旨のことを言っています。
    99年 「WINGSPAN」 で初めて 「前向き」 に振りかえれたようです。

    ジミー(ジョー)の気持ち:
    「ロンドン・タウン」はソフトで2人の出番が少なく、区切りも良いので辞めた。


    お互いに別れる時だったのでしょう。(当時はそう思えなかったでしょうが。)

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    1. 広瀬翔様
      貴重なコメントをどうも有難うございます(システムエラーなのか、同じ内容のコメントが13個あったので、1つだけ公開させて頂きます)
      私のような若輩者のファンに当時のことを語って下さる方は、本当に有難いです
      自分が集めた記事や写真を整理したくて作ったブログですが、ジミーのファンの方とshareできるのはとてもうれしいです
      これからもどうぞよろしくお願い致します

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